大津市歴史博物館

展示・イベント

平成9年度


第16回企画展
大津の仏像−一千年の造形−
平成9年4月28日〜6月8日

 大津は仏教文化の聖地であり、数多くの寺院群が、当地の仏教史を華やかに彩っている。それらの寺々に安置されている仏像は、国・県・市等の指定文化財とされているものが数多くあるが、いまだ調査の対象となったことのない尊像も少なくない。このため当館では、所蔵者各位のご協力を得て、未指定文化財の調査を実施してきた。
 本展覧会では、この未指定文化財調査によって見いだされた、優れた仏像の数々を中心に、すでに存在が知られていても、これまであまり公開の機会のなかった仏像もまじえ、古代から近世にいたる一千年の流れを紹介した。

第17回企画展
能・狂言のふるさと近江
平成9年9月13日〜10月19日

 南北朝時代から室町時代にかけて、近江国には日吉大社に奉仕する近江猿楽上三座と、多賀大社付近を根拠地とする下三座があり、現在の能楽諸流の祖である大和猿楽と競いあって活動し、今日の能狂言の創造の一翼を担っていた。
 本展は、この近江猿楽に始まる能・狂言と近江の関わりを、滋賀県下に残る関係資料を中心にたどることにより、近江文化の歴史を紹介した。

第8回特別展
ニューヨーク・ニュージャージー浮世絵コレクション展
平成10年11月1日〜12月7日

 浮世絵の美術品としての価値は、日本よりむしろヨーロッパやアメリカで早くから認められ、世界各地で様々なコレクションが形成されている。しかし、ヨーロッパに比べ、アメリカのコレクションはなかなか目に触れる機会がなかった。  本展では、これまでまだ取り上げられたことのないアメリカのコレクションの中で、ニューヨーク・メトロポリタンエリアの充実したコレクションに焦点をしぼって紹介した。また、併せて館蔵および周辺の関係機関所蔵品による「広重の描いた近江」展を開催した。

第7回特別陳列
大津の映画館
平成10年2月3日〜3月1日

 大津市には、大正から昭和にかけて、存続時期はずれているものの、全部で10館もの
常設映画館があった。それらの映画館は大衆文化の花形であり、多くの市民の娯楽の場となっていた。
本展では近年発見された膨大な大津の映画関係資料(畠山コレクション、畠山秀一氏所蔵=故人)を中心に、市内各地の映画館の変遷、無声映画からトーキーへ、さらには戦争の影を落としてくる映画の移り変わり、時代劇スターの登場といった変遷を、チラシ、パンフレット、ポスターや舞台写真など、約100点の懐かしいゆかりの品々によってたどるとともに、大津の映画館を影で支えた裏方たちの活動などもあわせて紹介した。