大津市歴史博物館

展示・イベント

平成17年度


第39回企画展
近江が生んだ実業家 広瀬宰平と伊庭貞剛の軌跡 -別子銅山から大津住友活機園まで-
平成17年10月1日(土)〜11月13日(日)

 初代住友総理事の広瀬宰平(野洲市出身)が別子銅山の近代化を図るなか、新居浜精錬所の煙害が問題となりました。その時、2代目総理事で近江八幡出身の伊庭貞剛が煙害解消のため、新居浜沖合の四阪島へ精錬所を移転します。また、移転後の跡地には植林を続け、もとの青々とした山林に戻すなど、環境に優しい経営を行ないました。 本展では、四阪島精錬所の操業開始100年を記念して、産業発展と環境対策という今日的な問題を迫るとともに、伊庭が晩年を過ごした大津の住友活機園(重要文化財・写真)の建築思想をあわせて紹介しました。


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開館15周年記念企画展(第40回企画展)
大津絵の世界
平成18年3月4日(土)〜4月16日(日)

 大津絵の人気。それは、一目見ただけで思わず興味をそそられるユニークな図柄と、安価な値段にあったのでしょう。街道をゆく人々の手頃な土産ものとして全国的に人気を博した大津絵。
開館15周年を記念する今回の展覧会では、その素朴かつ親しみのある味わい深い作品の数々を、初期大津絵の神仏物から中期の世俗物、そして後期の道歌入り大津絵は無論、近代日本画家による個性あふれた大津絵作品や工芸作品、現代大津絵などを展観し、大津絵にあふれる民画の魅力を振り返ります。


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ミニ企画展

第47回ミニ企画展
西国巡礼札所 三井寺
平成17年4月12日(火)〜5月29日(日)

 西国三十三所観音巡礼、第14番札所三井寺観音堂に残された江戸時代の巡礼札をはじめ、如意輪観音の霊験を記した刷り物とその版木、 境内の様子を描いた絵馬などを展示し、札所として信仰をあつめた観音堂の様子を紹介しました。

第48回ミニ企画展
大津の仏教文化6-寺誌・縁起2-
平成17年5月31日(火)〜7月10日(日)

 大津市内の諸寺院、諸地域に伝来する仏教美術の調査で判明した、豊かな仏教文化の一端を毎回紹介しています。 今回は、前回(本年1月)に引き続き、大津市内に所在する大寺院、比叡山延暦寺、園城寺(三井寺)、西教寺の歴史を記す史料などを紹介し、 特に天台の代表的な史料群の一つである西教寺所蔵の「正教蔵」について、詳しく紹介しました。また、重要文化財新指定記念として、西勝寺所蔵木造阿弥陀如来立像を特別に展示しました。

第49回ミニ企画展
大津の遺跡シリーズ4 山ノ神遺跡
平成17年7月12日(火)〜9月11日(日)

 山ノ神遺跡は、大津市一里山三・五丁目でみつかった古代の窯業・工房跡で、大津京の時代に前後する時期に操業されていました。発掘調査によって登窯などが数基見つかり、窯跡周辺では大量の生活容器や硯など、最近では窯跡の中で鴟尾(しび)が見つかっています。本展では、このような一大生産地であった同遺跡の出土資料について紹介しました。

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第50回ミニ企画展
大津祭の装飾品2
平成17年 9月13日(火)〜11月6日(日)

 毎年10月に行われる大津祭は、豪華な見送り幕に飾られた13基の曳山が巡行する湖国の伝統行事です。近年、曳山を彩る装飾品は新調が盛んに行なわれています。本展では、新調される以前に使用されていた幕類を中心に、曳山のかざりを紹介しました。

第51回ミニ企画展
おこぼまつり−下阪本の社と信仰−
平成17年11月8日(火)〜12月25日(日)

 下阪本の酒井神社と両社神社では、毎年1月8日に「おこぼまつり」と呼ばれる年頭行事が行なわれており、 市の無形民俗文化財に指定されています。本展では、この行事の祭具や関連資料を中心に展示し、さらに下阪本の他の神社に伝わる文化財についてもあわせて紹介しました。

第52回ミニ企画展
瓦でたどる大津の歴史
平成18年1月6日(金)〜3月12日(日)

 我が国における瓦の使用は、588年の飛鳥寺創建時に始まります。このとき、百済から4人の瓦博士が渡来し、瓦づくりを伝えたのです。この瓦は以後、さまざまにその意匠が凝らされてきました。古代では、巨大な寺院の甍に葺かれた蓮華文の軒丸瓦が多数遺されています。この瓦の図柄は、浄土に咲くという蓮の花を上から見た文様になっていますが、いずれも似ているようで、細かいところに時代の変遷が伺えます。また市内の南滋賀廃寺周辺でしか見られない方形軒先瓦は、普通と違い蓮の花を縦割りにした文様で、全国的にみても非常に珍しいものです。
次いで、浜大津からは中世、それも鎌倉時代と考えられる、小型の蓮華文軒丸瓦が出土しています。しかし、大津市域ではこの時代の遺存例は少なく残念です。
 市内では、大津城の金箔瓦が、近世の幕開けを告げるものです。金箔瓦は当時、権威の象徴として利用されていました。大津城は現浜大津の湖岸に、4層の天守閣を持った豊臣政権下の城郭で、関が原の戦いで廃城となっています。江戸時代になると、松本村瓦師の名前や製作年を施した、意匠を凝らした鬼瓦が数多く見られるようになります。さらにこの時代、全国の町家に急激な広がりを見せた桟瓦も、実は、園城寺(三井寺)万徳院で葺かれたのが最初と言われています。また、膳所藩主本多家の家紋である立葵紋の軒丸瓦や、膳所城の一角を飾った大きな鯱瓦も見応えのあるものです。
 本展では、古代の瓦から、近代の小学校の鬼瓦まで、さまざまな瓦を展示し、瓦の変遷と、大津の歩みを振り返りました。

第53回ミニ企画展
近江八景 -工芸編-
平成18年 3月14日(火)〜4月23日(日)

 近江八景は、蒔絵や伊万里の染付けを中心に工芸品の意匠としても盛んに取り上げられました。本展では、近江八景蒔絵香炉台や同蒔絵文台、伊万里染付近江八景文大皿など、館蔵の工芸品を展示し、 器物の意匠として表現された近江八景の世界を紹介します。