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△無動寺衆議下知状 元応2年(1320)10月10日 八所神社蔵 |
比叡山系と比良山系に隣接する伊香立地域の鎮守 八所神社には、鎌倉時代から江戸時代、近代にいたる古文書が大切に保管されています。
この度、大津市歴史博物館では、これまで知られている鎌倉時代から江戸前期にかけての大津市指定文化財13通のほかに、江戸時代中後期を中心とした古文書・古絵図を新たに調査させていただきました。
本ミニ企画展では、これら市指定文化財も含めた八所神社の古文書を通じて、鎌倉時代の葛川との境界争いの歴史だけでなく、八所神社の維持・管理と伊香立5ヶ村、神宮寺普賢院や大般若経の変転、明治維新の廃仏毀釈の様子などを紹介します。また古文書が、地域の歴史を明らかにする大切な文化財であることも紹介します。
八所神社の年中行事の内容を書上げたものです。伊香立庄内における「一族」と呼ばれた人々の役割や神前へのお供、仏神事(大般若経会など)の神宮寺のお坊さんの出仕などが記されています。
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伊香立大明神年中行事(冒頭) |
宝暦2年(1753)の下立山見分の際に作成された絵図をもとに、文化9年に生津村にあった古絵図と合わせて作成された絵図です。下立山見分の背景は不明ですが、その下立山周辺の記述が詳細であることから、何かしらの相論があったものと推測できます。
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下立山并葛川谷惣絵図(冒頭) |
1 織田信長朱印状(伊香立宛) 1幅 永禄12年(1569)(参考出陳・新知恩院蔵) |
2 淡海滋賀郡伊香龍八所大明神来由紀 1巻 江戸時代後期 |
3 淡海滋賀郡伊香龍八所大明神来由紀 1巻 江戸時代後期 |
4 伊香立大明神年中行事 1巻 江戸時代後期 |
5 江ь賀郡伊香立下在地村明細帳之写 1冊 宝暦2年(1752)8月 |
6 徳川家光朱印状写(新知恩院宛・パネル) 1通 慶安元年(1648)8月17日(新知恩院蔵) |
7 △江州志賀郡伊香立村御検地目録 1巻 文禄5年(1596)10月 |
8 △無動寺衆議下知状 1巻 元応2年(1320)10月10日 |
9 △山門行者中総代下立山之儀ニ付願書 1巻 慶長16年(1611)4月25日 |
10 △伊香立村総百姓中下立山相論対決証文口上書 1冊 延宝6年(1681)4月 |
11 一札(八所神社社領由来と普賢院住職) 1通 享保10年(1725)4月 |
12 引取一札之事(普賢院住職常納につき) 1通 天保4年(1833)6月 |
13 一札之事(普賢院留守居即成につき) 1通 嘉永3年(1850)5月(1794) |
14 一札之事(普賢院住職弥了引取につき) 1通 安政5年(1858)4月5日 |
15 覚(大般若経五百五拾巻売渡) 1通 天保12年(1841)3月 |
16 大般若経寄進帳 1冊 天保12年(1841)6月日 |
17 覚(大般若経代金勘定につき) 1通 嘉永2年(1849)6月 |
18 大般若経(パネル) 1通 文政3年(1820)7月(新知恩院蔵) |
19 下立山相論絵図 1舗 寛文6年(1666)11月 |
20 下立山并葛川谷惣絵図 1舗 文化9年(1812)9月 |
21 江州滋賀郡伊香立下在地村田畑絵図 1舗 安政3年(1856)7月 |
22 御神領納帳 26冊 享保11年(1726)〜明治2年(1868) |
23 五箇村算用帳 48冊 文政7年(1824)〜明治20年(1887) |
24 御神事算用帳 62冊 文政12年(1829)〜大正8年(1919) |
25 八所大明神由緒書 1冊 慶応4年(1868)5月 |
26 八所大明神神職御願書 1通 明治2年(1869)10月 |
27 祭神及由緒記 1冊 明治時代前期 |
※ △は大津市指定文化財
タイトル | 第115回ミニ企画展 大津の古文書8 八所神社の古文書 −近江国伊香立の鎮守− |
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会期 | 平成26年 9月2日(火)〜10月13日(月・祝) |
期間中の休館日 | 月曜日(月曜日が祝日の場合は、翌日休館日) |
会場 | 大津市歴史博物館 常設展示室内 ミニ企画展コーナー |
観覧料 | 常設展示観覧料でご覧いただけます。 |