大津市歴史博物館

お知らせ

義仲寺蔵「芭蕉翁絵詞伝」・伊藤若冲「四季花卉図天井画」の公開について
平成30年 5月24日(木)〜6月17日(日)


芭蕉翁絵詞伝 絵:狩野正栄至信、詞:五升庵蝶夢 江戸時代 3巻のうち 本館寄託・義仲寺蔵


四季花卉図天井画 伊藤若冲 江戸時代 15面のうち 本館寄託・義仲寺蔵

概要

 平成28年度から29年度にかけて、大津市歴史博物館では、松尾芭蕉の墓所として知られる義仲寺より、ご寺宝の寄託をうけました。 同寺よりご寄託いただいたご寺宝は、松尾芭蕉の生涯を描いた絵巻の名品「芭蕉翁絵詞伝」(大津市指定文化財)ならびに、伊藤若冲の作例としては貴重な天井画である「四季花卉図天井画」の2件です。 上記の寄託品について、ミニ企画展「平成29年度新収蔵品展」の開催に伴い、常設展示室1Fの「松尾芭蕉コーナー」において、その一部をお披露目いたします。


芭蕉翁絵詞伝

絵:狩野正栄至信、詞:五升庵蝶夢 江戸時代 3巻のうち 本館寄託・義仲寺蔵
 蕉門俳書の研究家として生涯を蕉風の復興に捧げた五升庵蝶夢(1732-96)が、義仲寺の無名庵を再興したのち、芭蕉の百回忌法要に向けて11年の歳月をかけて完成させたもの。蝶夢が、芭蕉の生涯における主要な事蹟を伝記に書き下ろし、御所の御用絵師である狩野正栄至信が事蹟の場面を詳細に描写している。
 構成は、絵と詞、各33段、上中下全3巻となっている。下巻末に「義仲寺の芭蕉堂の影前にたてまつる 寛政四年(1791)十月十二日 蝶夢幻阿弥陀仏 謹書」とあり、芭蕉九十九回忌の忌日に奉納されたことが判明する。 絵師は、寛政度御所御造営で障壁画制作を担当した禁裏御絵師、狩野正栄至信。芭蕉の足跡に関する描写の中には、実景を反映したものがあり、入念な準備に基いて描かれたことが伺われる。

四季花卉図天井画

伊藤若冲 江戸時代 15面のうち 本館寄託・義仲寺蔵
 伊藤若冲が天明8年(1788)の京都大火で疎開した石峯寺(伏見区深草)で描いた観音堂天井画の一部。本来は182面を擁する大きな格天井であったが、観音堂は明治維新時の廃仏毀釈によって解体。天井画も解体され、古美術商に渡ったのち檀家総代の五代目井上清六が買い取り、167面は、京都市東山通仁王門の真行寺に、15面は義仲寺へと分割奉納された。
 各板絵の法量は38p四方。胡粉地の塗り残しで直径34pほどの円窓の縁が設けられ、その中に花卉を、円窓に相応しい図案的な表現で描写している。多数の花卉を描いた若冲作品としては、金刀比羅宮奥書院の花卉図(重要文化財)が有名であり、また、期間限定で公開された真行寺の花卉図天井画も話題を呼び、行列ができた。


インフォメーション

タイトル 義仲寺蔵 「芭蕉翁絵詞伝」・伊藤若冲「四季花卉図天井画」公開
会期 平成30年 5月24日(木)〜6月17日(日)
期間中の休館日 月曜日
会場 大津市歴史博物館 常設展示室1階「膳所六万石 松尾芭蕉と大津」コーナー
観覧料 常設展示観覧料でご覧いただけます。
一般 320円(250円) 高大生 240円(190円) 小中生 160円(120円)
※( )内は15名以上の団体割引ほか、各種割引料金。
※大津市内在住の65歳以上の方は一般料金の半額。
※大津市内在住の障がい者の方、介護保険の要介護者の方・要支援者の方とその介護者1名は無料(証明するものをご提示ください)。