大津市歴史博物館

お知らせ

志賀町・大津市合併10周年記念展(第72回企画展)
村の古地図−志賀地域を歩く−
平成29年(2017)3月4日(土)〜3月26日(日)

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タイトル 志賀町・大津市合併10周年記念展 村の古地図−志賀地域を歩く− 
会期 平成29年(2017)3月4日(土)〜3月26日(日)
休館日 3月6日(月)・13日(月)・21日(火)
会場 大津市歴史博物館 企画展示室B
開館時間 9:00〜17:00(展示室への入場は16:30まで)
観覧料 [常設展示観覧料でご覧いただけます]
一般:320円(250円) 高校・大学生:240円(190円) 小中学生:160円(120円)
※( )内は15名以上の団体料金
※大津市内在住の65歳以上の方は、一般料金の半額。大津市内在住の障がい者・介護保険の要介護者及び要支援者の方とその介護者1名は無料(証明するものをご提示ください)。
主催 大津市・大津市教育委員会・大津市歴史博物館
共催 和邇文化センター・木戸市民センター

和邇・木戸・小松各地域に残る古地図を結集!
集落域や山や川、湖岸の景観の移りかわりを紹介!

 平成28年3月で、志賀町と大津市が合併をして10年が経ちました。本展はそれを記念し、志賀地域にあたる和邇・木戸・小松学区各地域に残る、江戸時代から明治時代にかけての村や自然の景観を描き込んだ古地図を展示し、その移り変わりを紹介します。
 私たちの眼の前にひろがる地域の景観は、人々が生活のために家や道を作り、山や川は開発や災害などで絶えず変化し続けてきました。志賀地域は、比良山系の山並みと琵琶湖の豊かな自然に包まれ、江戸時代においては、生業(農業や漁業など)を通じて密接に結びつき、また北国街道を通じて多くの人々が行き来していました。私たちは、かつての景観や人々の暮らしの様子を実際に見ることはできませんが、その時々に描かれた古地図からその一端をうかがい知ることができます。
 志賀地域に残る共有資料(古文書・古地図)は、平成17年に刊行が終了した『志賀町史』編纂時に調査・整理され、現在では地元の歴史に関わる資料として、次世代に守り継ぐために、毎年の虫干しなどを行ないながら、大切に保管されています。この中で古地図をみてみると、江戸時代の検地に際して作成された絵図や、村々による山林や河川の共同管理、境界争いの際に領主(幕府や大名)から下された裁許絵図、さらには明治時代の地租改正に伴って作られた地籍図など、内容豊かな古地図が残されています。それら古地図の作成目的は、時代や状況により異なりますが、細部をよく眺めていくと、田畑や山林だけでなく、先人の暮らしに関わる生活空間や用水、道、寺院や神社の位置など、現在につながるかつての景観が描かれているのです。
 本展では、江戸時代や明治時代の志賀地域の村々の絵図や地籍図を展示し、各時代の地域の様子をご覧いただきます。通常の企画展とは違い、会期は1ヶ月弱と短くなっております。どうぞお見逃しなく!


おもな展示資料

漁業でつながる浦々! 鮮やかに描かれた志賀地域

いさざ漁村々絵図(部分) 江戸時代 和邇北浜自治会蔵 1鋪

いさざ漁村々絵図

 いさざ漁に関する絵図で、琵琶湖に接する志賀町域の村々の位置がわかります。


比良庄の範囲をめぐる争いの足跡! 室町時代の荘園絵図

比良庄絵図写 江戸時代 1鋪 南比良共有財産管理会蔵

比良庄絵図写

 弘安3年(1280)、小松庄・音羽庄と比良新庄の境目争論の際に作成され、永和2年(1376)の争論で再び使用された絵図です。上(西)に比良山系、下(東)に琵琶湖、右(北)を三尾川、左(南)を木戸庄とする構図で、山川、建物を描きます。墨線(長靴をひっくり返したような形)は、比良庄の範囲を示しています。


村の全体像がよくわかる!

和邇中村絵図(部分) 江戸時代 1鋪 和邇中財産管理委員会所蔵

比良庄絵図写

 牛頭天皇社(天皇神社)内の摂社や神宮寺、南東の集落域、北西の権現山までが描きこまれています。また、現在の榎の碑のあたりに榎(一里塚)を示す木も描かれています。


小野妹子伝承の地! 江戸時代の小野村を描いた村絵図

小野村絵図 江戸時代 1鋪 小野財産区所蔵

小野村絵図

 小野村の集落域を白色、北国海道を赤色で示し、周辺に樹木に覆われた小野神社・小野道風神社・小野篁神社のほか、山並みを描きます。小野妹子伝承で知られる地域の江戸時代の様子を知る格好の絵図です。


境界争いが周囲の村々の仲介によって解決!

霊仙山他山論絵図 寛永6年(1629) 1鋪 栗原自治会所蔵

霊仙山他山論絵図

 栗原・北浜・中浜・南浜・高城の村々が、霊仙山などの共有山の境目について、取り決めた際に作成した絵図です。裏書に署名した各村の代表者と仲介者が、絵図表の境目それぞれに印鑑を押して確認した様子がわかります。


相給村落の様子がよくわかる!

北小松村絵図 天保2年(1831) 1鋪 北小松自治会蔵

北小松村絵図

 天保2年、北小松村(幕府領)の一部が堀田家領(下野国佐野藩)として編入された際に村役人から佐野藩に提出された絵図の写しです。北国海道(赤色)の東西に広がる北小松村の屋敷地を中心に描いた絵図で、「御料」が幕府領を示し、それ以外が佐野藩領だと考えられます。モザイク状に領地(領主)が入り組む「相給村落(あいきゅうそんらく)」の様子がよくわかります。



 

関連する催し

古地図のパネル展示

 展覧会の会期中、和邇文化センターと木戸市民センターにおいて、本展の展示作品の中から厳選した古地図を写真パネルにして展示します。
 〇和邇文化センター 大津市和邇高城12番地
  交通:JR湖西線 和邇駅下車徒歩3分 休館:毎週月曜日(月曜日が祝日のときは、翌平日)
 〇木戸市民センター 大津市木戸58番地
  交通:JR湖西線 滋賀駅下車徒歩10分 休館:土日祝日


共催事業について

大津市和邇文化センターで、合併10周年を記念して行なわれる記念講演会です。
「村の古地図−志賀地域と歩く−」展の内容とも関連しておりますので、是非ご聴講ください。

志賀町・大津市合併10周年記念講演(和邇文化センター第11回「げんき塾」特別公開講座)
明治の古地図から見る村々の姿−旧志賀町域を中心に−

日時:3月5日(日)14:00〜15:45
講師:古関 大樹 氏(京都女子大学非常勤講師)

 明治時代の地籍図は、土地一筆ごとの情報が丁寧に描かれており、耕地や山林の状況が色鮮やかに描かれています。現在では、随分と山は荒れてしまい、圃場整備事業などによって随分と景観が変わってしまったと思われますが、明治時代の地籍図からは本来の集落の姿を様々に読み取ることができます。地籍図の読み方や、山の様子、里の様子、湖辺の様子など、地域の成り立ちをお話しします。

会場:大津市和邇文化センター(JR湖西線 和邇駅下車徒歩3分)←会場にご注意ください!
住所:〒520-0528 大津市和邇高城12   電話:077-594-8022
参加費:無料 事前:申し込み不要(当日会場にお越しください)


れきはく講座(講演会)

 展覧会をより深くご理解いただくため、期間中に関連講座を開催いたします。 聴講には、事前申込が必要です。くわしくは、講座・講演会情報をご確認ください。【近日更新予定】