大津市歴史博物館

お知らせ

第79回企画展
 大津南部の仏像 ―旧栗太郡の神仏―
開催期間 令和元年(2019年) 10月12日(土曜)〜11月24日(日曜)

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 大津市の南部には、瀬田川が琵琶湖から瀬戸内海へ流れています。流通の大動脈の一つでもあったこの川の周辺には、様々な歴史的文化が育まれました。そしてこの瀬田川を境として、かつては行政区域が分けられていました。西は滋賀郡、東は栗太郡と呼ばれ、滋賀郡は大津市のほとんどを占め、高島郡(現、高島市)とともに湖西に位置していました。栗太郡は、大津市の瀬田や田上、上田上、大石の地区と、草津市や栗東市、守山市の一部とともに構成されていました。
 この大津市南部の地域は、七世紀に天智天皇が大津に遷都した際の出入り口にあたり、この周辺にも白鳳寺院が多く建立されました。さらに八世紀には近江国庁が造営され、その後、近江国一宮、建部大社がまつられるなど、近江国の中心地となっていきます。また、藤原京や平城京・東大寺大仏造営のための木材などの資材を田上山や大石山から供給し、石山をその拠点とするなど、常に飛鳥や奈良と直結した関係を有していました。
 平安時代にはいると、天台宗や真言宗の寺院を中心に山岳寺院や社が多く建立され、さらに中世には浄土宗や浄土真宗の活動も活発にみられるなど、独自の仏教文化が重層的に花開きました。このような背景のもと、大津市南部の周辺地域は、古い仏像や仏画が集中的に現存する我が国屈指のエリアとして知られています。
 本展は、このような豊かな歴史を持つ大津市南部の仏教・神道文化に注目し、この地域に伝来する仏像や神像、仏画、経典類などを紹介します。本展において各社寺の貴重な宝物に触れることで、大津の豊な歴史文化に親しんでいただけましたら幸いです。


企画展インフォメーション

タイトル 第79回企画展
「大津南部の仏像 −旧栗太郡の神仏−」
会期 令和元年(2019年) 10月12日(土曜)から11月24日(日曜)まで
開館時間 午前9時から午後5時まで(展示室への入場は午後4時30分まで)
休館日 10月15日、10月21日、10月23日、10月28日、11月5日、11月11日、11月18日
年間の休館日カレンダー
会場 大津市歴史博物館 企画展示室A
主催 大津市・大津市教育委員会・大津市歴史博物館・京都新聞
後援 朝日新聞大津総局、e-radio、NHK大津放送局、共同通信社大津支局、KBS京都、産経新聞社、時事通信社大津支局、(株)ZTV滋賀放送局、中日新聞社、日本経済新聞社大津支局、BBCびわ湖放送、毎日新聞大津支局、読売新聞大津支局
観覧料 一般:800円(640円) 高校生・大学生400円(320円) 小学生・中学生200円(160円)
※( )内は、前売り、15名以上の団体、大津市内在住の65歳以上の方、大津市内在住の障がい者・介護保険の要介護者・要支援者の方の割引料金(証明するものをご提示ください)。
※「大津南部の仏像」展の入場券で、「大津絵」展もご覧いただけます。
前売券 前売券は、大津市観光案内所(JR大津駅・石山駅・堅田駅前)、ローソンチケット(Lコード54182)をはじめ、京阪津地区の主なプレイガイドで10月1日より発売。

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展示品一覧(A4横・3ページ)【PDF】



れきはく講座(講演会)

会期中に、展覧会の関連講座を開催いたします。
聴講には、事前申込が必要ですので、申込締切日にご注意ください。
詳細は講座・講演会情報をご覧ください。

10月19日(土曜) 「大津市南部の神仏習合」 講師:嵯峨井建氏(京都國學院講師)
11月9日(土曜) 「栗太郡の名刹芦浦観音寺の仏像」 講師:和澄浩介氏(滋賀県立近代美術館学芸員)
11月16日(土曜) 「平安時代の仏像 ―定朝から運慶へ―」 講師:淺湫毅氏(京都国立博物館連携協力室長)

主な展示作品

1 旧滋賀郡 (1)富士見 (2)晴嵐 (3)石山 (4)膳所 (5)南郷


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(1)富士見
釈迦如来坐像
重要文化財

鎌倉時代
圓福院蔵

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(2)晴嵐
男神坐像
江戸時代
近津尾神社蔵

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(3)石山
塑像断片
奈良時代
石山寺蔵



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(4)膳所
不動明王立像
平安時代
膳所不動明王堂蔵

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(5)南郷
大日如来坐像
鎌倉時代
安養寺蔵

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(5)南郷
懸仏
大津市指定文化財

鎌倉時代
岩間山正法寺蔵



2 旧栗太郡 (1)大石 (2)田上 (3)上田上 (4)瀬田



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(1)大石
薬師如来坐像
重要文化財

平安時代
法楽寺蔵

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(1)大石
四天王立像
平安時代
若王寺蔵

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(1)大石
聖観音立像
平安時代
長寿寺蔵



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(2)田上
帝釈天立像
重要文化財

平安時代
正法寺蔵

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(2)田上
せん仏断片(石居廃寺出土)
大津市指定文化財

白鳳時代
個人蔵

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(2)田上
薬師如来坐像
重要文化財《秘仏》

平安時代
安楽寺蔵



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(3)上田上
阿弥陀如来坐像
大津市指定文化財

南北朝時代
真光寺蔵

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(3)上田上
仏涅槃図
室町時代
荒戸神社蔵

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(3)上田上
狛犬断片
鎌倉時代
平野天満宮蔵



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(4)瀬田
女神坐像
重要文化財

平安時代
建部大社蔵

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(4)瀬田
獅子・狛犬
重要文化財

平安時代
若松神社蔵

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(4)瀬田
鴟尾(山ノ神遺跡出土)
重要文化財

白鳳時代
大津市蔵


  

企画展図録

『大津南部の仏像』展示解説図録
A5版 112頁