大津市歴史博物館

展示・イベント

平成21年度-れきはく講座-

平成21年4月

企画展「道楽絵はがき」関連講座(第428回れきはく講座)
道楽絵はがきの魅力 徹底解剖!!
講師:木津 勝(本館学芸員)

平成21年4月11日(土) 13:30〜15:00

 道楽絵はがきの魅力は図柄の面白さだけではありません。道楽絵はがきが作られた交換会のシステムや彼らをとりまく人々をみると、趣味の域を超えた、様々なこだわりが見えてきます。講座では、これらを徹底解剖し、コレクターたちの目指したものを考えてみたいと思います。

ミニ企画展関連講座(第429回れきはく講座)
願いが付与される土人形たち〜伏見人形の御利益〜
講師:藤森 寛志(高槻市立しろあと歴史館専門員)

平成21年4月18日(土) 13:30〜15:00
    

 伏見人形は、京都の伏見稲荷大社付近で製作された土製の人形で、もともとは稲荷山の土を使った土器作りの余業に端を発したといいます。江戸時代を通じて、旅行の土産物、日常生活の祈りや願いの対象、あるいは玩具として、全国に受け入れられていきました。また、江戸時代の資料には、伏見人形に関する記述が多く見られ、単なる遊具にとどまらず、各時代の世相を背景に御利益が付随されてゆく様がうかがえます。そのようにして現代にまで定着してゆく伏見人形の姿を紹介します。

第430回れきはく講座
熊野の神像
講師:小田 誠太郎(和歌山県文化遺産課世界遺産班長)

平成21年4月25日(土) 13:30〜15:00

 紀伊半島の南東部にある「熊野三山」とは、「熊野三所権現」、あるいは「熊野十二所権現」をまつる三つの神社の総称です。この熊野三山には、制作年代と作風を異にする古神像が遺されています。それら神像の紹介を通して、天台宗(都)の影響のもと、日本第一の霊験をもって知られるようになった「熊野権現」の実像に迫ります。

平成21年5月

第431回れきはく講座
神像彫刻
講師:滝沢 幸恵(吹田市立博物館学芸員)

平成21年5月2日(土) 13:30〜15:00

 神像は神の姿を造形化したもので、神仏習合思想のもと奈良時代末頃より造られるようになりました。神像の成立過程と展開を、文献史料と現存する作例からたどり、日本人が神をどのように捉えたかを考えます。

第432回れきはく講座 【現地見学会】
坂本里坊めぐり
講師:和田 光生・青山 均(本館学芸員)

平成21年5月9日(土) 午後徒歩半日コース  13:00〜16:30(予定)

 門前町坂本には、延暦寺に関わる特徴的な建物が様々に見られます。中でも里坊は、山上の堂舎に対する里の寺院で、石積みに囲まれ、美しい庭園を備えており、特に10ヶ所の庭園が歴史的、芸術的価値の高さから国指定名勝「延暦寺里坊庭園」に指定されています。新緑の美しいそれら里坊の庭園数ヶ所を拝観し、坂本の歴史を探ります。【定員40名】

第433回れきはく講座 【現地見学会】
宇佐山城を探る
講師:樋爪 修・青山 均(本館学芸員)

平成21年5月23日(土) 午前徒歩半日コース 

 宇佐山城は戦国時代、織田信長に仕えた明智光秀や森可成が立て籠もった山城で、近江神宮の背後にある宇佐山(標高336m)の山頂には、今も石垣が随所に残されています。当日は、近江神宮時計博物館見学の後、宇佐山に登り、本丸跡や石垣を見学します。健脚コース(山道を登ります)。【定員50名】


平成21年6月

ミニ企画展関連講座(第434回れきはく講座)
古文書講座 新指定・中世和邇今宿文書を読む
講師:中森 洋(前大津市文化財保護課長)

平成21年6月6日(土) 13:30〜15:00

 平成20年度、新たに大津市指定文化財となった和邇今宿に伝わる中世文書をテキストにします。この文書は、今から約450年前、室町時代後期に起こった庄園の領境を巡る争論を記録したもの。文書の筆跡も、江戸時代のように整ったものではなく難解ですが、チャレンジの価値はあります。

第435回れきはく講座
古文書講座 手紙を読む
講師:伊東 宗裕(京都市歴史資料館担当課長)

平成21年6月13日(土) 13:30〜15:00

 今回は江戸時代中期の手紙を読みたいと思います。テキストは、江戸の儒学者が、天明8年2月、京都に住む養子に送った手紙です。天明8年正月30日に京都では未曾有の大火が起き、安否を尋ねる手紙は、気遣いの心にあふれています。長い手紙を詳しく読んでみましょう。

ミニ企画展関連講座(第436回れきはく講座)【現地見学会】
青龍寺の障壁画−柴田晩葉の代表作雲龍図公開!
講師:青龍寺住職・横谷賢一郎(本館学芸員)

平成21年6月20日(土) 13:30〜15:00と6月21日(日) 13:30〜15:00 

 大津市長等1丁目の曹洞宗・青龍寺には、柴田晩葉の畢生の大作とも呼ぶべき襖絵群全16面が、本堂を荘厳しています。画題も、禅刹にふさわしい雲竜図や天台牡丹唐獅子図のほか、のどかな田園風景の農耕図も描かれています。それぞれの作品において晩葉は、水墨の技法を凝らしたり、躍動感あふれる大胆な構図を工夫したり、情趣ゆたかな農村風景の描写に心を砕いたりと、画家としての様々な可能性を追求しています。これらの非公開の襖絵を現地にて観覧し、解説をいたします。【定員:各40名(申込の際には、いずれかの日をご指定ください)】


平成21年7月

第437回れきはく講座
鎌倉時代の仏師−近年の仏像調査から−
講師:寺島 典人(本館学芸員)

平成21年7月25日(土) 13:30〜15:00

 鎌倉時代の造像では、作者である仏師の名前が判明している場合が、他の時代に比べて多くあります。今回は、快慶作の可能性がある新発見の仏像をはじめとして、大津近隣の仏像について写真を豊富に紹介しながらお話します。


平成21年8月

企画展関連講座(第438回れきはく講座)
戦時下の大津−3つの秘話−
講師:樋爪 修(本館学芸員)

平成21年8月1日(土) 13:30〜15:00

 戦時下の大津には、あまり知られていない3つの秘話がありました。ひとつは旧逢坂山トンネル内に設置された三菱重工業の軍需工場のこと、2つめには、東洋レーヨン(現東レ)に落とされた爆弾が、実は原爆の模擬爆弾(パンプキン)であったこと。3つめには、比叡山上に特攻機桜花の発射台(カタパルト)が作られていたこと。限られた資料により、これらの事実に迫ります。

企画展関連講座(第439回れきはく講座)【現地見学会】
大津海軍航空隊跡探訪
講師:樋爪 修・青山 均(本館学芸員)

平成21年8月15日(土) 10:00〜11:30 

 昭和17年に正式発足した大津海軍航空隊は、主に水上飛行機の訓練を行っていました。その跡は、陸上自衛隊大津駐屯地内に今も残されています。今回は、当時の格納庫や、水上飛行機を湖面に下ろしていた滑走台、海軍航空隊や九連隊の資料を展示している資料館などを見学します。【定員:各40名】

第440回れきはく講座 【夏休み特別親子講座】
拓本に挑戦!(親子対象)
講師:青山 均(本館学芸員)

平成20年8月18日(火) 午前の部10:30〜12:00 午後の部13:30〜15:00

 小学生対象の考古学講座です。古代の瓦や土器、昔のお金などの拓本を採ります。湿拓(しったく)という本格的な方法での挑戦です。みなさんの家にあるメダルやコインの拓本も採れます。これで夏休みの宿題もバッチリ!【定員 各20家族】

企画展関連講座(第441回れきはく講座)
銃後の市民生活
講師:高杉 巴彦(立命館大学国際平和ミュージアム館長)

平成21年8月22日(土) 13:30〜15:00

 戦時中の京滋の市民生活を、国際平和ミュージアム所蔵資料を中心に紹介します。特に昭和14年(1939)の「国民徴用令」以降「贅沢は敵だ」のスローガンが出され、労働力不足を補うため、労働や奉仕に駆り出されました。教育の分野でも毎年のように制度が変わり、戦争賛美の教育の影響を受けながらも前向きに生きていた若者の姿など、「銃後」の様々な実相を紹介します。


平成21年9月

ミニ企画展関連講座(第442回れきはく講座)
青蓮院と明王院
講師:和田 光生(本館学芸員)

平成21年9月5日(土) 13:30〜15:00

 中世の葛川明王院は、京都粟田口の門跡・青蓮院と深く結びついていました。明王院に残された参籠札には、青蓮院門主をはじめ青蓮院関係者が奉納したものが多く残され、明王院文書の中にも青蓮院に関係する聖教などが見られます。その詳細を分析することは難しいですが、明王院と青蓮院の関係を示すいくつかの資料を紹介します。

ミニ企画展関連講座(第443回れきはく講座)
古文書講座 明王院の近世文書を読み解く
講師:樋爪 修(本館学芸員)

平成21年9月19日(土) 13:30〜15:00

 葛川明王院の古文書といえば、中世に発生した葛川谷と周辺荘園との争論文書が有名ですが、今回は、今まであまり紹介されなかった近世の明王院文書を素材として、古文書の解読とともに、意味内容の紹介をしてみたいと思います。ただ、近世文書といっても、江戸時代後半の定式化した崩し字ではありませんので、とまどわれるかもしれませんが、分かりやすく解説しますので、くれぐれもご心配なく。

平成21年10月

企画展記念講演会
日本の仏像の先祖調べ
講師:肥塚 隆(大阪大学名誉教授)

平成21年10月17日(土) 13:30〜15:00

 仏教はインドで生まれ、最後に日本に伝えられましたから、仏教尊像も各地の影響をうけ変化しました。しかし日本の仏像にもインドの原型を残しているものもあり、それを調べることにより、その本来の意味や姿を明らかにすることができます。インドの尊像をスライドで紹介しつつ、日本の尊像がどのようにして成立したかを考えます。

ミニ企画展関連講座(第445回れきはく講座)
皆川淇園の漢詩文・尺牘を読む
講師:伊東 宗裕(京都市歴史資料館担当課長)

平成21年10月31日(土) 13:30〜15:00

 「膳所侯儒者」として藩主の御進講役を務めていた皆川淇園(1734-1807)は、塾生のべ1300人を誇る大儒学者である一方、江戸時代中後期の京都芸苑における文化人サロンの中心人物でした。いわば当時の芸能文化人でもあった彼の漢詩文を求める人々は、門前市をなす状態であったと当時の随筆は伝えています。今回は、ミニ企画展の出品作品を中心に、淇園の文人画の賛文や尺牘をテキストにして、わかりやすく解説します。

平成21年11月

企画展関連講座(第446回れきはく講座)
大津の寺社建築とその魅力
講師:冨島善幸(滋賀県立大学環境科学部准教授)

平成21年11月7日(土) 13:30〜15:00

 近江地方には多くの寺社があり、ゆたかな歴史遺産を伝えています。これらのうち彫刻や絵画など美術品は良く知られていますが、じつは、建築にも優れたものが数多くあります。本講座では、大津市に残る中世から近世の寺社建築をとりあげ、鑑賞のポイントをわかりやすく説明します。

企画展関連講座(第447回れきはく講座)
神と仏のはざま
講師:赤川 一博(奈良県立美術館学芸課長)

平成21年11月14日(土) 13:30〜15:00

 わが国古来の宗教と外来の仏教は、その初めての出会いからお互いに結びつき、わが国独特の宗教美術を造り上げました。日本の伝統である沢山の神と仏の美術について、その種類や発生、さまざまな姿について分かりやすく説明します。

企画展関連講座(第448回れきはく講座)
大津の社寺調査の思い出
講師:宮本 忠雄(元滋賀県教育委員会 文化財保護課 美術工芸担当)

平成21年11月21日(土) 13:30〜15:00

 建造物以外の有形文化財を美術工芸品といいます。絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍・古文書等、考古資料、歴史資料の6部門からなる動産文化財です。これらの保存と活用のために、県内各地で調査を行ってきた。未知の仏像などとの出会いや、膨大な量の大般若経で悪戦苦闘したことなど、社寺における調査事例を紹介します。

第449回れきはく講座
高島歴史散歩【現地見学会】
講師:現地講師

平成21年11月28日(土) 9:00〜16:30[バス1日コース]

 現地講師の案内により、高島市の歴史と文化財を探訪します。
【予定コース】
鵜川四十八体仏−大溝城跡−高島歴史民俗資料館−中江藤樹記念館−保福寺(重要文化財 釈迦如来拝観)−琵琶湖周航の歌記念館−郷土文化伝習施設マキノ資料館《貸切バスで移動します》
※当日は、予定コース以外にも数箇所見学予定です。

第450〜452回れきはく講座
古文書に親しむ【3回連続講座】
講師:樋爪 修(本館学芸員)

平成22年1月23日(土)・30日(土)、2月6日(土) 13:30〜15:00

 毎年この時期に開催している、古文書解読のための初級講座です。古文書なんてとても読めないと考えられている皆さん。ちょっと町なかを歩くと、老舗の商店の看板や飲食店ののぼり旗、石で出来た昔の道しるべなどに、草書体の古文書の文字が書かれていたりします。日常的に接していても、「古文書」という言葉だけで、分からないと思い込まれているのではないでしょうか。この連続講座に参加されれば、古文書を読む(眺める)楽しさがお分かりいただけると思います。教材は、いずれも地元大津の歴史に関する「古文書」です。一緒に「古文書」を楽しみましょう。

第453回れきはく講座
膳所城下町ミステリーツアー【現地見学会】
講師:樋爪修(本館学芸員)

平成22年3月6日(土) 午後徒歩半日コース

 膳所の町なかを歩くと、江戸時代に城下町として栄えた頃の面影が残され、その多くはガイドブックに掲載されています。でもゆっくり探検すると、まだまだ秘められた歴史の痕跡が残っています。今回のツアーの順路は当日までのお楽しみ。参加された皆さんは、きっと驚かれることでしょう。【定員30名】

第454回れきはく講座(企画展関連講座)
良源の肖像について
講師:根立研介(京都大学大学院文学研究科教授)

平成22年3月13日(土) 13:30〜15:00

 良源は「慈恵大師(じえだいし)」や「元三大師(がんざんだいし)」などと呼ばれていますが、それ以外にも「鬼大師」「角大師」「豆(魔滅)大師」など、様々な容貌をした姿もつくられました。講座では、わが国の肖像作品として、聖徳太子と並ぶバリエーションを誇る良源の肖像について、他の僧侶と比較しながら説明します。

第455回れきはく講座(ミニ企画展関連講座)
上仰木遺跡が語るもの
講師:福田敬(市文化財保護課主査)

平成22年3月20日(土) 13:30〜15:00

 大津市仰木にある上仰木遺跡は、平安時代と室町時代を中心とした遺跡です。御所の山で行なった発掘調査では、有力者の邸宅跡が発見されました。墨で絵を描いた土師器の皿や北宋代の中国産陶磁器などをはじめとする多くの出土品から、当時の華やかな文化に触れてみたいと思います。