大津市歴史博物館

展示・イベント

平成3年度


第2回 企画展
火の贈りもの −国づくりを支えた古代人の技術−
平成3年4月27日〜5月26日

 近江国には、官営的色彩の濃い製鉄遺跡や大津京と深いかかわりがあるとみられ、大量の須恵器を焼いた窯跡である山ノ神遺跡など数多くの古代の生産遺跡が存在している。
 展覧会では、生産に関係した考古資料の中から特に、鉄・土・銅をテーマとし、古代において、その生産の技術がどのようなものであったのか、どのような製品が生産され、それが当時の社会に対してどのような影響を与えていったのかということを、大津市出土の土器・瓦などをはじめとする約350件により紹介した。

第1回 特別陳列
大津と大津事件
平成3年5月11日〜5月26日

 大津事件百周年にあたり、大津事件の概要を写真パネルやイラストを中心に、実物資料も交えて分かりやすく紹介した。

第3回 企画展
−庶民の祈り− 近江の絵馬
平成3年8月31日〜9月15日

 絵馬は、人々の祈りや願いを板に描き神仏に奉納する信仰の資料である。その歴史は古く、すでに奈良時代の遺跡からも出土している。それ以来現在に至るまで息災延命・家内安全・安産・入学・学業上達などのいろいろな願いを込めて社寺に奉納する習俗が行われている。江戸時代には絵馬は大型化し、その画題も馬以外のものが描かれ多様化した。
 本展では、古代から見られる絵馬の歴史とその諸相をあらわす資料的価値の高い大絵馬・小絵馬およそ200余点を一堂に展示し、この機会を通じて身近な文化財である絵馬並びに当時の人々の願いに目を向けてもらうことを意図した。

開館1周年記念 特別展
−旅人からのメッセージ− 街道・宿場・旅
平成3年10月19日〜11月24日

 近江の国は、地形的に日本の中心に位置し、東日本と西日本を結ぶ交通の要所として、日本史のうえに重要な役割を果たしてきた。琵琶湖をめぐって、東海道・中山道・北国街道・朝鮮人道・北国海道などが通り、それらをつなぐ間道が網の目のように走っていた。なかでも江戸時代、琵琶湖の最南部に位置する大津は、湖上交通の拠点としての港町、東海道五十三次の宿場町、更に北国海道との分岐点として百貨集う都市であった。
 本展では、交通の要所大津の特性を見直す機会を提供するため、街道を往還した旅人の風俗や宿場の様相、当時の街道を描いた絵画類、各地の名産など重要文化財を含めて約200点にのぼる資料を一堂に会して紹介した。

第4回 企画展
宗家記録と朝鮮通信使
平成4年2月11日〜2月16日

 江戸時代、朝鮮への唯一の窓口だった宗家は、藩内に外交僧を抱え、様々な交渉に当たった。中でも江戸初期、文禄・慶長の役以降絶えていた両国関係を復活させた交渉は、特筆に値するといわれている。宗家記録には、こうした外交記録のほか東アジアに関する研究書など、貴重な文献が数多く含まれている。
 本展では、江戸期の日朝交流史の全貌を明らかにするため、宗家記録を中心に屏風や絵図など日本国内の史料も加えて展示した。