大津市歴史博物館

展示・イベント

令和2年度(2020年度)-れきはく講座-

  
企画展「江戸時代の琵琶湖水運」関連講座(第771回れきはく講座)
江戸時代の石山寺と旅行者−紀行文と古文書にみる-【中止】
講師:青柳周一氏(滋賀大学経済学部教授)

令和2年4月4日(土曜) 14時〜15時30分 ※新型コロナウイルス感染防止対策のため中止

 江戸時代の石山寺は、西国三十三所の13番札所である観音霊場として、また風景がとても美しく、近江八景のひとつ「石山秋月」にも選ばれた場所として広く知られていました。紫式部と「源氏物語」をめぐる伝承も有名で、東海道から距離が近く瀬田川の船も使用できる交通の便の良さもあり、石山寺には大勢の旅行者が訪れています。こうした人々が記した紀行文や道中記などを紹介しながら、江戸時代の石山寺の賑わいについて明らかにします。〔定員100名〕


企画展「江戸時代の琵琶湖水運」関連講座(第772回れきはく講座)
幕末における京都・大津間の物資流通【中止】
講師:樋爪修氏(元大津市歴史博物館館長)

令和2年4月11日(土曜) 14時〜15時30分 ※新型コロナウイルス感染防止対策のため中止

 江戸時代、琵琶湖水運により大津の港に集荷された米などの諸物資は、牛車や馬、あるいは人力による背負いなどで、東海道を京都へと運ばれていました。この流通ルートが、幕末の激動期、様々な危機に直面します。天誅が横行するなか、米の不正取引を告発する張り紙により、大津の米屋たちは打ち壊しの危機にみまわれます。また、大津ー京都間の街道では慢性的な交通渋滞が発生していましたが、京都への物資流通の円滑化を計るため迂回路を開くという抜本的な対策をとります。加えて、禁門の変などによる街道筋の治安悪化により、流通ルートは甚大なダメージをこうむります。そう言った息詰まる緊迫の有り様を、『大津御用米会所要用帳』などの諸記録により明らかにしていきます。〔定員100名〕


古文書入門講座(第773・774・776回れきはく講座)
大津の古文書に挑戦!(3回連続講座)【中止】
講師:高橋大樹(本館学芸員)ほか

令和2年5月9日(土曜)、16日(土曜)、23日(土曜) 各日14時〜15時30分 ※新型コロナウイルス感染防止対策のため中止

 大津市内に残る古文書・古記録をテキストに解読する入門講座(3回連続)です。今回は、平成30年(2018)に重要文化財に指定された「大津百艘船関係資料」の中から、江戸時代の琵琶湖水運や大津町に関する内容の古文書を取り上げます。みなさんとご一緒にくずし字読解に挑戦しますが、主にこれから古文書に慣れ親しみたい、読んでみたいという方々を対象にした入門講座です。古文書の見方や解読のポイントなどをお話します。
※連続講座ですが、1回のみのお申込みも受け付けます。〔定員100名〕


トークイベント(第775回れきはく講座)
TOKYO1964 〜大津に聖火がやってきた〜【中止(延期)】
出演:聖火ランナーの方々 司会:木津勝(本館学芸員)

令和2年5月17日(日曜) 14時〜16時(開場13時45分) ※新型コロナウイルス感染防止対策のため中止

 いよいよ東京2020オリンピックの聖火が5月28日から29日にかけて、滋賀県にやってきます。もちろん1964年の東京オリンピックでも、聖火リレーが滋賀県内で行なわれました。イベントでは、前回東京大会で大津市内の聖火ランナーを務めた方々をお迎えして、聖火リレーの様子や当時の苦労ばなしなどをお聞きします。また、大津市内の聖火リレーの様子を撮影した8ミリフィルムの上映も行ない、当時の熱気をよみがえらせます。〔定員100名〕(満席になり次第、入場を終了します)
【申込】本イベントについては申込不要です。 【参加料】無料
※東京2020オリンピック大会の開催時期にあわせて、改めて日程を設定いたします。
※同時に開催を予定していたロビー展示についても、あわせて延期いたします。


第777回れきはく講座
吉田初三郎画『京津電車御案内』を絵解きする
講師:木津勝(本館副館長)

令和2年9月18日(金曜) 15時〜16時

 令和元年度の新収蔵品のなかから、大正時代に発行された『京津電車御案内』を紹介します。本資料は、大正の広重と称された吉田初三郎が請け負った沿線案内(パンフレット)ですが、全国のパノラマ鳥瞰図を描いた彼の画風とは大きく異なり、沿線の名所旧跡をイラストで紹介した異色作です。講座では、当時の大津・京都の沿線の様子を楽しみつつ、この作品が作られた背景をじっくりと読み解きます。〔定員50名〕


第778回れきはく講座
大津百艘船関係資料を紐解く
講師:高橋大樹(本館学芸員)

令和2年9月25日(金曜) 15時〜16時

 大津市歴史博物館では、開館以来、大津や近江に関わる古文書・歴史資料を収集してきました。とりわけ、2019年に新たに寄贈された重要文化財「大津百艘船関係資料」は、安土桃山時代から江戸時代にかけて、琵琶湖水運の中心的役割をになった船持仲間「大津百艘船」に伝来してきた文書群です。これらは、水運史上で重要な歴史情報を有するだけでなく、大津の地域史を明らかにするための最も基礎的な古文書といえます。本講座では、そこから紐解かれる江戸時代の琵琶湖水運と大津の歴史だけでなく、古文書を読むこと、整理して後世に伝えていくことの意味をお話します。〔定員50名〕


企画展「聖衆来迎寺と盛安寺」関連講座(第779回れきはく講座)
聖衆来迎寺と明智光秀
講師:和田光生(本館学芸員)

令和2年10月14日(水曜) 15時〜16時

 大津市比叡辻にある天台宗の古刹聖衆来迎寺の表門は、坂本城の城門を移築しており、坂本城の唯一の遺構として知られています。このほか、天正5年(1577)、明智光秀は、仏供料を来迎寺に寄進しており、坂本城周辺の寺として、西教寺とともに光秀と関係していたようです。今年、聖衆来迎寺蔵「仏涅槃図」の裏書から、光秀の妻煕子の戒名が見つかり、聖衆来迎寺と明智光秀の関係を考える情報が増えてきました。この講座では、聖衆来迎寺やその周辺と明智光秀の関係を考えてみます。〔定員50名〕


企画展「聖衆来迎寺と盛安寺」関連講座(第780回れきはく講座)
宝物にみる聖衆来迎寺と元応国清寺
講師:鯨井清隆(本館学芸員)

令和2年11月12日(木曜) 15時〜16時

 聖衆来迎寺は、比叡辻にあるお寺で、国宝・重要文化財を数多く伝来しています。その聖衆来迎寺は、実は1つのお寺の中に2つのお寺が並存する形で始まりました。その1つが聖衆来迎寺であり、もう1つが元応国清寺というお寺です。元応国清寺は、かつて京都・岡崎にありましたが、応仁の乱の衰退を経て、聖衆来迎寺へと移ってきました。現在では、元応国清寺は客殿の「潅頂之間」にのみ名残を伝えていますが、企画展に際した悉皆調査により、その姿が徐々に明らかとなってきました。現在伝わる宝物類から、両寺の歴史を紐解いていきたいと思います。〔定員50名〕


ミニ企画展「明智光秀と坂本城」関連講座(第781回れきはく講座)
発掘された坂本城
講師:福庭万里子(本館学芸員)

令和2年11月26日(木曜) 15時〜16時

 明智光秀は、信長の命を受けて志賀郡を任され、元亀三年(1572)、坂本の地に城を築きました。これ以後、本能寺の変にいたるまで、坂本城が光秀の本拠地となります。坂本城は、当時の記録として、城の普請の様子を記したものなどがありますが、その構造について詳細は伝わっていません。昭和54年度から、坂本城跡(大津市下阪本三丁目一帯)の本丸推定地で発掘調査がおこなわれ、光秀の時期の遺構が確認されました。調査で確認された遺構や遺物を紹介しながら、現在考えられている坂本城の姿についてお話しします。〔定員50名〕


ミニ企画展「降魔大師縁起絵巻」関連講座(第782回れきはく講座)
元三大師信仰の諸相
講師:寺島典人(本館学芸員)

令和3年2月19日(金曜) 15時〜16時

 平安時代の比叡山延暦寺の高僧である良源(慈恵大師、元三大師とも)は、山門派の実質的な祖として崇められています。後に良源は、山門を守護するお大師さまとしてまつられるようになり、さらには外から悪いものが入ってこないようにしてくれるという信仰に発展していきます。本講座では、「角大師」や「鬼大師」などと変化していく元三大師信仰の諸相について説明します。〔定員50名〕


企画展「芭蕉翁絵詞伝と義仲寺」関連講座(第783回れきはく講座)
芭蕉 伊賀時代からの旅立ち
講師:岡本栄氏(伊賀市長)

令和3年3月13日(土曜) 15時〜16時

 芭蕉翁絵詞伝三十三段において、蝶夢が最も長文を費やしたのは、芭蕉の伊賀時代についての伝記でした。そこでは、松尾家の由緒や藤堂家への奉公など、のちに芭蕉が俳人として歩みだすまでのエピソードが語られています。実際、その部分にまつわる芭蕉ゆかりの史跡が、伊賀には多く残されています。本講座では、芭蕉と故郷・伊賀について、さまざまな視点から、お話しします。〔定員50名〕


企画展「芭蕉翁絵詞伝と義仲寺」関連講座(第784回れきはく講座)
歴史資料から読み解く義仲寺
講師:高橋大樹(本館学芸員)

令和3年3月18日(木曜) 15時〜16時

 義仲寺は、木曽義仲の塚の傍らに結ばれた草庵を「義仲庵」と呼んだところから始まるといわれます。その後、芭蕉が葬られたことで、門人らの活動の拠点となるとともに、多くの参詣人が集う東海道の名所として発展します。本講座では、義仲寺に関する歴史資料(古文書・記録)から、本寺・末寺の関係や住職の継承、所在する馬場村との関係など、これまであまり知られてこなかった元禄時代以降の義仲寺の歴史を読み解きます。〔定員50名〕


企画展「芭蕉翁絵詞伝と義仲寺」関連講座(第785回れきはく講座)
現地見学会 義仲寺と竜が丘俳人墓地
講師:横谷賢一郎(本館学芸員)

令和3年3月20日(土曜・祝日) 13時〜15時

 芭蕉の眠る義仲寺の境内について、翁塚、木曽塚、翁堂をはじめ、堂宇や句碑などを解説し、芭蕉の墓前でお参りしたあと、竜が丘俳人墓地にて、芭蕉門の俳人たちの墓を巡ります。※現地集合・現地解散で、徒歩移動です。〔定員20名〕


企画展「芭蕉翁絵詞伝と義仲寺」関連講座(第786回れきはく講座)
芭蕉翁絵詞伝 絵師と作品
講師:福田道宏氏(広島女学院大学教授)

令和3年3月30日(火曜) 15時〜16時

 従来、芭蕉翁絵詞伝については、蝶夢が編集・執筆した芭蕉の伝記部分が主な考察対象となっていました。その一方で、本作の挿絵部分は描かれている場面に関する言及はありましたが、作画を担当した狩野(かのう)正(しょう)栄(えい)至(よし)信(のぶ)については、その画系をはじめ詳しい点が不明でした。本講座では、正栄至信を含む狩野正栄家について、資料的検討を踏まえ、画系や宮中での御絵御用、そして絵詞伝における描写についてお話しします。〔定員50名〕